ろきんの予備試験日記

税理士有資格者が調子に乗って司法試験を目指すブログです。

雑誌記事:再調査手続の適法性

T&A master No. 696 2017.6.26

請求人の関係会社A社への債務免除が寄附金とされた事例で、再調査の要件を満たさない(「新たに得られた情報」がない)のにもかかわらず再調査があったと請求人が主張。
H290126裁決

・再調査手続については下記に定められています。恥ずかしながら初めて読みました。

国税通則法 第74条の11⑥
第一項の通知をした後又は第二項の調査(実地の調査に限る。)の結果につき納税義務者から修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付があつた後若しくは更正決定等をした後においても、当該職員は、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、第七十四条の二から第七十四条の六まで(当該職員の質問検査権)の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付をし、若しくは更正決定等を受けた納税義務者に対し、質問検査等を行うことができる。

また、これに関する通達が下記。

5-7 法第74条の11第6項に規定する新たに得られた情報とは、同条第1項の通知又は同条第2項の説明(5-4の「再度の説明」を含む。)に係る国税の調査(実地の調査に限る。)において質問検査等を行った当該職員が、当該通知又は当該説明を行った時点において有していた情報以外の情報をいう。

(注) 調査担当者が調査の終了前に変更となった場合は、変更の前後のいずれかの調査担当者が有していた情報以外の情報をいう。

5-8 法第74条の11第6項に規定する新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときには、新たに得られた情報から非違があると直接的に認められる場合のみならず、新たに得られた情報が直接的に非違に結びつかない場合であっても、新たに得られた情報とそれ以外の情報とを総合勘案した結果として非違があると合理的に推認される場合も含まれることに留意する。

①請求人への実地調査→②A社への実地調査→③①の際に提出されなかった両社の再編関係の資料を入手→④請求人への再調査→⑤債務免除を寄附金として更正処分という流れ。「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」に該当するとして、取消事由となる違法なしとした。

債務免除の寄附認定については当然そうなるよねという感じです。法人税基本通達9-4-2の話。
審判所によれば、A社は当時債務超過だったが、①A社は請求人との間に完全支配関係がある子会社からの分割により設立、②A社設立後5か月後に請求人がA社の債務を免除、③A社に一定の事業収入あり、④A社の借入金はA社100%株主たる代表者からのもののみだった。免除に経済合理性なし。